上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「た、ただいま」

隠しきれない緊張が、声に現れてしまう。

「おう」

哲平さんのいつも通りのかけ声に続いて、いつも通りの慌ただしい足音が響いてきた。
ああ……紹介したい人がいるって話してあるんだから、もう少し落ち着いてよ……
決して言葉にはできないけど、心の中で愚痴る。

そして、玄関に出てきた哲平さんと恵さんを見て、再び心の中でため息をつく。2人とも、服装がいつも通りでラフすぎる。恵さんに至っては、若干目がチカチカするお色なんですが……涼介さんはちゃんとスーツを着ているというのに……

「おじゃまします。今日は、お会いするお時間をくださって、ありがとうございます」

と、丁寧な挨拶をして手土産を渡す。

「おお、よく来たな。紹介は後だ。とりあえず、入れよ」

涼介さんをチラッと見ると、特に驚いている様子も、引いている感じもなさそうだ。いつも通りな彼に、ホッとした。


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