上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「明日香から、前に聞いたんだ。あの子らが行ったことで、しおりが辛い思いをしたって。あっ、話した明日香を責めるなよ。こっちから聞き出したようなもんだから」

「う、うん」

「それ以来、しおりは男女とも深く関わろうとしなくなったって。心を開いたのは、明日香だけだって」

「それは……うん。そうだった」

「私らはさあ、こういう私らみたいな奴を受け入れてくれる、田舎の小さな世界で生きてるから、しおりがそんな目に合うなんて想像してなかった。それに、正直、やっぱり今のスタイルを変える気はない。それも含めて、ごめん」

「い、いやだなあ、急にごめんとか言われると、どうしていいか……でも、私、恵さん達のことを怒ったり毛嫌いしたりしてないから」

「ありがとう。今日、哲平も私も、本当に嬉しかったんだよ。しおりが、心を許せた男を連れてくるって。しかも、あんないい奴だし。幸せになりなよ」

「ありがとう」


恵さんの言葉に、心がすっと軽くなる。
いろいろ悩んだり、傷付いたりしたけど、この2人の子どもで良かったなあと思えた。

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