上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
翌日の昼前には、実家を後にして東京へ向かった。

「なんか……ごめんなさい。やっぱり泊まりになっちゃったし」

「楽しかったよ。いいご両親じゃない。認めてもらえてホッとした」

「うん、私も。ところで、昨日は哲平さんと何を話してたの?」

教えてくれないだろうなあとは思いながらも、一応尋ねてみた。

「そこは男同士の話だから、内緒」

「だと思った」

「あっ、言えることもあるな。小さい頃のしおりの話もした。知らないうちに恵さんの化粧で遊んで、すごい顔になってたとか」

「やだ。そんな話までしてたの?もう、やめてよ」

「ははは。会ってみてわかった。やっぱり娘思いのいい人達だよ」

「うん。ありがとう」

「しおり……」

「ん?」

「来週末、俺の両親に会って欲しい」

「うん」

「その前に、来週……水曜日の夜を空けて。話したいことがあるから聞いて欲しい」

「う、うん……?」

先週言っていたことなんだろう。悪い話じゃないといいけど……そんな不安が顔に出てたのか、涼介さんが苦笑した。

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