上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
こう見えて、哲平さんが人たらしだということを忘れていた。あっという間に意気投合して、主役の2人をそっちのけで、4人で盛り上がっている。
ここで、式のこととかを相談するつもりだったんだけど……

「涼介。好きにしていいって言ったけど、却下だ。羽場さんとうちで、家族だけの海外挙式にするぞ」

「おう、しおり。三上さんの言う通りだ。俺らも行くから。なあ、曽我さん。酒でも飲みながら、楽しもうな」

曽我さんというのは、社長の名字だ。
ていうか、どんな言葉使いですか……
娘の嫁ぎ先のお舅さんで、勤務先の社長さんなんですけど……

「なんか、私の心配が杞憂にすんでよかったんだけど……これはこれでいいのか?って疑問が拭えない」

「いいんじゃないか?仲良くなれたんだし。海外挙式も良さそうじゃない?まあ、この人達は挙式というより、旅行と飲み会って感じだけど。
別の機会に、川北さんとか山崎さんとか、お互いの友人も招いて、ちょっとしたお披露目会をすのもいいし」

「そうだね。大掛かりなものはいらないけど、お世話になっている人には、お礼の意味も込めてやりたいね」


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