上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「羽場ちゃんさあ、俺から見たら羽場ちゃんは本当にいい子だよ。それに、俺にとっては優しい子だと思う。さっき、それを否定してたのが気になって。他人の考え方はともかく、俺はそう思ってることは知っていて。それと、否定する理由……ますます羽場ちゃんに興味が湧いた。これからどんどん暴かせてもらうから」

褒められたかと思ったら、すぐこれだ。

「やめてください。私なんか暴いても、大したことないですから。もしくは……幻滅するだけかもしれませんよ」

「幻滅はしないよ。きっと」

どうしてそんなことを言い切れるんだろう。私のプライベートなんて、何も知らないのに……

「……誰かを幻滅させるかもしれないことを、私は気にするんです」

こんなことを言う顔を見られたくなくて俯く。今がタクシーの中でよかった。薄暗さで、表情がよく見えないだろうから。

「羽場ちゃん……俺は羽場ちゃんのことなら幻滅しないよ。それに、そんなふうに思うこと自体、やっぱり羽場ちゃんは優しい子だって思う。羽場ちゃんのことを知る時間を確保するために、真面目に仕事しないとな」

ニヤリと笑う三上さんを、ジロリと睨む。

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