上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
迷惑にならない程度の音量で言い合いながら、会社に向かう。
ふと、明日香が足を止めた。一歩通り過ぎたところでそれに気付いて、足を止めて振り向いた。
「どうかした?」
「しおり、哲平さんと恵さんに、この週末連絡しなかったでしょ?」
「う、うん」
「私の方に電話があってさあ、あまりにもしおりが連絡してこないなら、一族総出で遊びに行くからって言ってたわよ」
「げっ、うそぉ……どうしよう。それだけは困る」
一族総出って、両親と祖父母と……なんて微笑ましいものじゃない。
文字通り〝族〟なのだ。
つまり、両親とやんちゃなお仲間が、一挙に押し寄せてくるということだ。もちろん、みんな真面目に働いているし、警察のお世話になるような人はいない。たぶん。
だから、実質的には害のない人達なんだけど。
でも、いかんせん、その言動と見た目が……勝手に来る分には構わないけど、私を巻き込まないで欲しい。
ふと、明日香が足を止めた。一歩通り過ぎたところでそれに気付いて、足を止めて振り向いた。
「どうかした?」
「しおり、哲平さんと恵さんに、この週末連絡しなかったでしょ?」
「う、うん」
「私の方に電話があってさあ、あまりにもしおりが連絡してこないなら、一族総出で遊びに行くからって言ってたわよ」
「げっ、うそぉ……どうしよう。それだけは困る」
一族総出って、両親と祖父母と……なんて微笑ましいものじゃない。
文字通り〝族〟なのだ。
つまり、両親とやんちゃなお仲間が、一挙に押し寄せてくるということだ。もちろん、みんな真面目に働いているし、警察のお世話になるような人はいない。たぶん。
だから、実質的には害のない人達なんだけど。
でも、いかんせん、その言動と見た目が……勝手に来る分には構わないけど、私を巻き込まないで欲しい。