エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「行ってらっしゃい」
宏希さんの出勤を玄関で見送るのが不思議。
以前は一緒にここから会社に向かった。
「行ってきます。波多野さん、和宏くんの入園に必要な物一式、俺がそろえるから心配しないで」
「そんなことまでしていただかなくても」
私、不安が顔に出ていただろうか。
「かわいい子は甘やかしたいんだよ。それじゃ」
彼は笑みを残していってしまった。
住居を貸してくれて給料まで出してもらう上に、和宏の物までそろえてもらうなんて甘えすぎだ。
そりゃあ、レーブダッシュのように大きな会社の後継ぎなら、お金に不自由はしていないだろう。
このマンションは多分一億はするし、彼が乗っている車も高級車だ。
以前からスーツは『primo passo』という店の一流テーラーに仕立ててもらったオーダーを着ているし、部屋にそろえられている調度品もこだわりの輸入品ばかり。