エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

でも、納豆やオムライスのような素朴な食べ物が好きで、突然コンビニのデザートにはまったりする不思議な人。

一緒にいるとごく普通の感覚を持っているのがわかるし、だからこそ私も素でいられた。

けれど、時々こうした瞬間に違う世界の人だと思わされる。

いいのかな。

もしあのまま結婚していれば、和宏は宏希さんの息子としてなに不自由なく暮らしていたはずだ。

私はともかく、和宏には引け目を感じない生活をさせてやるべきなのかもしれない。


「ママー、用意できたよ!」


私のところに駆け寄ってきた和宏の足元を見ると、片方ずつ違う靴下をはいている。


「あはは。これとこれ、おそろいじゃないね」
「あっ、間違えた!」


タタッと戻っていく和宏がいつもの何割増しもの弾けた笑みを見せている気がして、宏希さんに甘えてみようかなと思った。
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