エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
『俺がそろえる』とは言ってくれたが、一緒に行ってくれるとは。
しかも私の知らないところで約束をしていたなんて驚愕だ。
「和宏、宏希さんは忙しいんだから、振り回しちゃダメよ」
「宏希さんって誰?」
和宏が私を見つめて不思議そうな顔。
しまった。ついくせで……。
「あ、浅海さんだった……。毎日遅くまでお仕事してるんだから、お休みは休憩するためにあるの」
慌てて早口でまくし立てたあとチラッと宏希さんに視線を送ると、彼は少し驚いた様子で私を見つめていた。
「いいよ。約束だったもんな。和宏くん、自分で着替えられるかな?」
「うん!」
まだパジャマ姿だった和宏に宏希さんが声をかけると、和宏はドタバタとリビングを飛び出していった。
「すみません。うるさい上に、お休みまで奪ってしまって……」
なんとなく気まずくてうつむき加減で言うと、彼は数歩足を進めて私の前に立つ。