エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
宏希さんが先頭に立って様々なデータを分析し、J2リーグに甘んじていたそのチームと交渉。ユニフォームや希望する選手へのスパイク提供などの契約を結んだ頃、J1昇格が決まった。
契約はすでに交わしているので、来シーズンはスポンサー料を払わなくてはならない。
でも、あてにしていた予算がカットとなれば……非常にまずい事態になることは必至だった。
どうしたらいい? 私が身を引けば丸く収まるの?
でも、そんなの嫌。宏希さんと別れるなんて……絶対に。
「忍、なに考えてる?」
私の頬に優しく触れ視線を絡ませる彼は、苦しげな顔を見せる。
答えられないでいると、彼は続けた。
「忍を手放すつもりはないよ。なにがあっても、絶対に」
「宏希さん……」
まさに別れを意識していたからか、手放さないと断言されて瞳が潤んでくる。
「ただ、営業統括部の仲間たちの努力を無駄にはできない」
唇を噛みしめる宏希さんの表情には、悔しさがありありと見てとれた。