エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「宏希さん」
「うん」
私をまっすぐ見つめる彼の目には、一点の曇りもないように思える。
「私を、幸せにしてください。私も、宏希さんを幸せにします」
「それじゃあ?」
大きくこくりとうなずくと、彼は私を強く抱きしめた。
「ごめんな。本当にごめん」
「謝らないでください。私も赤ちゃん欲しいです」
この苦渋の決断には私への愛が詰まっていると感じる。
そうまでしても、私との結婚を選びたいのだと。
だから、この返事に後悔はない。
「必ず忍と結婚する」
強い口調で言いきった彼は、私から離れてソファの横に置いてあったバッグからなにかを取り出して差し出した。
「これ……」
「忍が持ってて」
それはすでに彼の名前が記入してある婚姻届だった。
「宏希さん……」
おそらく、私がこれ以上不安にならないようにしてくれたんだ。