エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

「お仕事忙しいのに、ごめんなさい」

「平気。午前中は内勤だったし、問題ないよ」


彼は安心させるように言うが、やはり甘えすぎだ。


「でも、頼ってばかりで……。私にはなにもできなくて申し訳ありません」

「おいしい飯も掃除も、本当に助かってるんだ」


それは対価をいただいているので当然だ。


「それに、毎日の笑顔も、どれだけ活力になっているか」

「えっ……」

「波多野さんの沈んだ顔は見たくない。ほら、笑って」


どうしてこんなに優しいのだろう。
数年間の記憶がないとはいえ、こういうところは昔のままだ。


「はい」


いつまでも難しい顔をしていてはいけないと口角を上げた。

私は、和宏を幸せにするために宏希さんの申し出を受けたのだから。


「そうだ。明日、休日出勤の振り替え休日が取れるんだ。頼ってばかりと気になるなら、一日付き合ってくれない?」

「構いませんが」


そんなことでいいの?
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