エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「ケーキ好きなんだ。でも、食べてるところを見たことがない」
今までは生活費を切りつめていたので、ケーキを日頃のおやつにはできなかった。
和宏の誕生日やクリスマスなどの特別なご褒美だった。
「そうですね。和宏が産まれてからはそういう習慣がなくて」
はっきりと経済的に苦しかったからとは言わなかったのに、気づかれたかもしれない。
彼の目がキョロッと動いた。
「今度、和宏くんも連れて来よう」
「はい、喜びます」
私たちは顔を見あわせて微笑みあった。
濃厚なチョコレートケーキを食べたあとは図書館に向かった。
この街の図書館はかなり規模が大きく、専門書や小説、はたまた雑誌までずらっと並んでいる。
「ここにもよく来てた?」
「はい。でも、配置換えしたみたいですね。私が知っている棚の並び方と違います」
あの頃と同じでないのが残念だったが、雰囲気だけでも味わってほしい。