エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「さすが御曹司さま。昼から寿司とか」
「ランチだからお得なんだ。お前も行ったことあるだろ?」
茶化す沖さんにも動じない。
ふたりの関係が以前と変わっていなくてうれしかった。
私たちは歩いて十分ほどの場所にある『La mer TOKYO』という大きなビルに入店している寿司屋に向かった。
ここには高級ホテルがあり、レストラン街も超一流店ばかり。
しかしランチなら手の届く価格帯のこともあるので、私も何度か利用したことがある。
『ランチだからお得』と言っていたくせして、私、宏希さん、沖さんの順でカウンターに座ったあと、「好きなものを頼んで」と言われてびっくり。
「いえっ、ランチで」
「和宏くん、刺身ダメだから寿司も食べてないだろ?」
鋭い指摘に眉が動いた。
たしかに和宏は生ものが苦手で、刺身や寿司の類はずっと食べていない。
「なるほどね。だから寿司か」
沖さんは意味ありげな笑みを浮かべてつぶやく。