エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

「波多野。それじゃあ、じゃんじゃん頼もうぜ」
「沖は自腹な」
「マジかよ……」


沖さんは肩を揺らしている。

それでも気が引けて注文できないでいると、宏希さんがどんどん頼んでくれた。


「それでおふたりさんは、よりを戻したりはしないわけ?」


すずきの握りを口に運ぼうとすると、沖さんがそんなことを言い出したので手が止まる。


「お前を呼んだのは間違いだった。帰れ」

「は? 気を利かせて聞いてやったのに」


宏希さんは冷たい声で一喝したが、沖さんはどこ吹く風だ。

ふたりはいつもこんな調子だった。


「私は家政婦ですから。浅海さんには助けていただいて、本当にありがたいと思っています」


慌てて口を挟むと、沖さんは顔をしかめている。


「ふたりとも意地張らないでさ。楽になっちまえばいいだろ」


意地……なのかな。

沖さんの言う通り、和宏は宏希さんの子だと明かせればどれだけ楽か。
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