エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

けいれん? 救急車?

頭が真っ白になり、体が震える。

和宏……。

私は挨拶もせず部を飛び出し、廊下で電話を掛け直す。


「波多野です。和宏は……」


『よかった……つかまった。今、搬送されるところです。野上総合病院が受け入れてくれるそうなので、お母さんはそちらに来られますか?』

「わかりました。和宏は?」


無事なの?
祈るような気持で尋ねる。


『けいれんからは回復しています。でも、意識がまだもうろうとしていて……』


もう心配はいらないという返事ではなかったため動揺したものの、グッと歯を食いしばる。

今はとにかく和宏のそばに行かなくては。


「波多野」


走り出そうとしたとき、沖さんが戻ってきた。


「どうした? 顔が真っ青だぞ」
「和宏が……けいれんを起こして救急車で搬送されると」
「けいれん? どこの病院だ」
「野上総合だそうです」


和宏の妊娠が判明したあの病院だ。

ここからだと電車の路線を二本乗り継がなければならない。
タクシーのほうが早い?
< 205 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop