エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
けいれん? 救急車?
頭が真っ白になり、体が震える。
和宏……。
私は挨拶もせず部を飛び出し、廊下で電話を掛け直す。
「波多野です。和宏は……」
『よかった……つかまった。今、搬送されるところです。野上総合病院が受け入れてくれるそうなので、お母さんはそちらに来られますか?』
「わかりました。和宏は?」
無事なの?
祈るような気持で尋ねる。
『けいれんからは回復しています。でも、意識がまだもうろうとしていて……』
もう心配はいらないという返事ではなかったため動揺したものの、グッと歯を食いしばる。
今はとにかく和宏のそばに行かなくては。
「波多野」
走り出そうとしたとき、沖さんが戻ってきた。
「どうした? 顔が真っ青だぞ」
「和宏が……けいれんを起こして救急車で搬送されると」
「けいれん? どこの病院だ」
「野上総合だそうです」
和宏の妊娠が判明したあの病院だ。
ここからだと電車の路線を二本乗り継がなければならない。
タクシーのほうが早い?