エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
ベッドサイドにもうひとつイスを出して並んで座り、和宏を見つめていた。
彼は薬が効いて体温が下がってきたようだ。
苦しそうな呼吸音は治まってきたので、ようやく胸を撫で下ろした。
「和宏くん、よく頑張ってる。忍に似て頑張り屋さんだ」
そういえば、ここに飛び込んできてからずっと『忍』と呼ばれている。
だから私もつい『宏希さん』と。
ずっとこれが自然だったから違和感がなくて、受け入れていた。
宏希さんも気にしていないようだが、記憶の片隅のなにかが反応していればいいのだけれど。
「運動会、楽しみにしていたんですけど、無理そうですね」
運動会は今週末。あと三日しかない。
「そうだね。よくなったら公園でたっぷり遊んでやろう。それに運動会は今年だけじゃない」
彼は布団からはみ出している和宏の手を握る。
「今まで、仕事で行事に参加できないことも多くて……寂しい思いをさせてきました。だからか、宏希さんまで来てくれるからと気合が入っていたのに」