エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
そして彼がそう吐き出した瞬間、体がガタガタと震えだし、熱いものがこみ上げてくるのがわかった。
こらえきれない涙がポロポロとこぼれて、慌てて拭う。
すると彼は私の隣まで歩み寄り、そっと抱き寄せてくれた。
「彼女に感謝してください。俺の血を引いた子を、他人を思いやれる優しい子に育ててくれました。罵声を浴びせていい人じゃない。改めて機会を作りますので、失礼します」
宏希さんは私を促して社長室から出してくれた。
そしてそのまま専務室に向かい、カギを閉めたあと強く抱きしめる。
「忍……。和宏くんは、俺の子、だよな」
確信を持った聞き方に、返事はひとつしかない。
「……はい。宏希さんの子です。あの事故の日、妊娠がわかって……」
「すまない。そんなに大切なことを俺……」
私の背中に回った手に力がこもる。
私は彼のジャケットを強くつかみ、もう離れたくないとしがみついていた。