エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

割れてしまったカップは、宏希さんが片付けてくれた。

その間に別のカップに紅茶を注ぎ、彼のリクエストではちみつも垂らした。

何度も繰り返された光景だけど、改めて心がつながった今日は感慨もひとしおだ。


ソファに並んで口に運んだが、妙に照れくさくて会話が弾まない。

しかし、彼が空いたほうの手で私の腰を抱くので、言葉はなくとも幸せだった。

紅茶が半分くらい減ったところで、ようやく宏希さんが口を開いた。


「和宏くんも初恋か……」

「まさか、女の子を助けたとは知りませんでした」

「あはは。なかなかやるな。忍の初恋はいつ?」


初恋、か。いつだろう。


「覚えてないです。宏希さんは?」

「俺も幼稚園のときのクラスメイトだったような。血は争えないな」


クスッと笑みを漏らす彼は、カップをテーブルに戻した。


「和宏のこと……ごめんなさい」
「なにを謝っているんだ?」


彼は目を大きくして私の顔をのぞき込む。
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