エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「忍」
私の名前を確認するように何度も口にして、背中に回した手に力を込める彼にしがみつく。
もう離れたくない。ずっと一緒にいたい。
「あぁ、俺はきっと、ずっとこうしたかったんだ」
宏希さんの声が震えている。
はっきりとは思い出せずとも、心の中のなにかが動いていたのだろうか。
公園で再会したとき、私の心が震えたのと同じように。
求めあっていた心が自然と共鳴しあい、なにかの拍子に記憶が少しずつ引き出されてきたのかもしれない。
私は彼の腕を強く握り、広い胸にすっぽりと包まれながら、幸せを存分に感じていた。
耳に伝わる彼の心音が、ドクドクと速い。
それに呼応するように私の拍動も速まっていく。
しばらくして腕の力を抜いた彼は、私の体を離して真摯な視線を送ってくる。
「好きだ。何度記憶をなくしても、忍のことを必ず捜し出す」
「宏希さん……」
どちらからともなく重なった唇は、たまらなく熱くて胸がいっぱいになった。