エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

彼の記憶をつっつければと思い購入してきたが、正解だったかも。

宏希さんも私も、すべてを思い出さなくてはという焦りはなく、新たな人生を積み重ねていけばいいと考えている。

とはいえ、彼は記憶の欠片を見つけるたびに幸せそうな表情を見せるので、時々思い出の品を登場させているのだ。


気持ちが和んだところで、私は話し始めた。


「宏希さん、独立するというのは本当ですか?」

「もう耳に入ったのか……」


ということは、事実なんだ……。


「……私は反対です。宏希さんはレーブダッシュを愛しているじゃないですか」


彼が私と和宏を守るために独立を模索してくれているのはわかっているし、本当にありがたい。

その一方で、誰よりもレーブダッシュの仕事に情熱を注ぎ続けてきた彼のことも理解しているつもりだ。

レーブダッシュを去ることが得策だとはどうしても思えない。
他に道はないの?
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