エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

その夜。
和宏を寝かしつけたあと、宏希さんと紅茶を飲むことにした。


今日はダージリンセカンドフラッシュ。

紅茶のシャンパンと言われており、フルーティな香り漂うかなり贅沢な茶葉だ。

実は沖さんにクライアントからの差し入れだからといただいた。


「いい香りだ」

「はい。これはストレートがいいと聞きましたので」


今日は、はちみつはなし。


「うん。はちみつを垂らしたらもったいないまろやかさだ」


彼は目を細めてリラックスした顔をしている。


「このフィナンシェ、食べたことがある気がする……」


紅茶に添えたフィナンシェを見て、首を傾げている。


「実はエール・ダンジュのもので、以前よく食べていたんです。せっかくの紅茶ですので、用意しました」


彼と再会してケーキを食べるまで長らく口にしていなかったエール・ダンジュの洋菓子は、昔から変わらない品質を保っている。


「そっか。やっぱり覚えてるんだな」
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