エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

〝和宏〟と書くことを彼に知られてしまったことを後悔した。

これでは宏希さんの子だと主張しているみたいだ。

もう二度と会わないと思っていたので、せめてもと彼の名前から一字もらって名付けたのに。


返信を見て固まり、指が動かない。
するとすぐに次のメッセージが入った。


【来週の日曜。十時にあの公園で待ってる】


予定を聞かれたら忙しいと嘘をついて断ろうと思っていた心の中を読まれているかのように、いきなり時間と場所を指定してきた。


【わかりました】


迷いに迷ってそう返事をした。
和宏がお絵かき帳に大きなサッカーボールを描いているからだ。


【楽しみにしているよ。疲れた様子だったから、ゆっくり休んで】


「えっ……」


疲れた様子って、私のこと?

途端に涙がにじんでくる。

和宏をひとりで産み育てると決めてから、走りに走ってきた。
どれだけ走ってもゴールが見えず、本当はヘトヘトだ。

でも、弱音を吐けるような人が誰もおらず、こうしていたわってもらえたのは初めてだった。
< 55 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop