エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

それからまたふたりはサッカーに興じていた。


宏希さんひとりに子守りを押し付けては悪いと思い交ざろうとしたが、彼は「休んでて」の一辺倒。

もしあのまま結婚に至っていたら、こうして役割分担をしながら子育てをしていたんだろうな、なんて思いを馳せる。

両親の反対を押し切るために和宏を授かったとはいえ、彼は私との子供を本気で望んでいたし、妊娠を知ったときの喜びようといったら。

『やったー!って大声で叫びそうだったよ』と興奮気味に話した姿を、今でも思い出すことができる。

けれども、彼の両親に妊娠を隠したまま逃げたことを後悔はしていない。
和宏の笑顔がこうして見られるんだもの。


「ママ、滑り台してくる!」


和宏はサッカーに飽きたようで、宏希さんの手を引いて遊具のあるほうへと足を進める。私も慌てて続いた。


「これが噂の……」


保育園で話題になるという滑り台だ。
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