エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「ママ、すごいでしょ?」
「うん、すごいよ。頑張った」
我が子の成長を目の当たりにして、胸がいっぱいになる。
毎日忙しすぎて、私の知らない間に彼はいろいろなことができるようになっていた。
もっとじっくり向きあっていれば、全部その瞬間に立ち会えたかもしれないのに。
仕方がないとはいえ少し残念に思っていたので、こうした姿を見られるのは感動的だった。
それから同じように上りきった宏希さんは、和宏を自分の足の間に入れて長い滑り台を滑り始めた。
「おおおおー」
想像以上にスピードが出て、和宏が目を丸くしながら雄叫びをあげている。
しかし、宏希さんが一緒だからか楽しそうだ。
「うわっ、痛っ」
滑り終わり、声をあげたのは宏希さんのほうだ。
スピードが出すぎていたせいか、そのまま滑り台を飛び出して尻もちをついたのだ。
和宏はうまく立ち上がり、なんでもない顔をしている。