エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「だ、大丈夫ですか?」
「うん、なんとか」


バツ悪そうな顔をする彼だけど、それから「あははは」と噴き出した。


「大失敗。和宏くんはうまいなぁ」
「浅海さん、もう一回!」
「ちょっと……」


強打したようだけど本当に大丈夫?

慌てて止めに入ったが、宏希さんは「平気だよ」と言って、再び滑りに行ってしまった。


二度目は着地も見事に。


「あー、面白かった」


これで自慢話の仲間入りができるね、和宏。


「ありがとうございました」
「いやいや。童心に帰るって言うの? 病みつきになりそう」


クスッと笑みを漏らす宏希さんは、私に視線をあわせながら和宏の頭を撫でた。


「波多野さん、毎日頑張ってるんだね」
「ん?」
「今日だけ、しかもまだ二時間も経ってない。それなのに体がバキバキだ」


たしかに体力あまりある和宏と仕事で疲れた体を引きずるようにして遊ぶのは骨が折れる。

けれども、それが子育てというものだ。
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