エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
やはり、父親が必要なのだろうかと考えさせられるような和宏の気持ちの高ぶりに、驚くとともに罪悪感を覚える。
父親がいない子にしてしまった私の罪は深い。
でも、産まないという選択だけはできなかった。
【よかった。また十時でいいかな? 今度はアパートまで迎えに行くよ】
【よろしくお願いします】
宏希さんのメッセージに対し、私からは事務的な言葉の繰り返しばかり。
本当は、前回会った日は和宏が興奮して寝付けなかったこととか、保育園であの滑り台を滑った仲間に入れたこととか、伝えたいことがたくさんあるのに。
しかし、一度書きだしたら感情があふれてきて止まらない気がして、淡々とした返事のみになってしまう。
お弁当作ろうかな……。
迎えに来てくれるということは、また森林公園に行くのだろうし。
和宏はもちろんだが、私の気持ちも浮き立っているのに気づき、知られないようにしなくてはと思った。