エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
そして土曜がやってきた。
和宏は相変わらず早起きをして、私がお弁当を作っているのを見て目を輝かせている。
「唐揚げある?」
「あるよ。つまみ食いする?」
「うん!」
ひとつお皿にのせると、和宏はイスに座って食べ始める。
醤油やにんにくで味付けした唐揚げは、彼の大好物なのだ。
宏希さんもそうだった……。
最近、ふとした瞬間に宏希さんのことを考えていることに気づいては、慌てて打ち消している。
揚げ物が終わり次はたまご焼きを作ろうとしたが、なんだか体が重い。
今週はパートさんのお休みが重なり、それをカバーしたので、働きどおしで休む暇がなかったからだろうか。
顔を洗ったとき、目の下にくっきりクマが浮き出ていたので、ギョッとした。
メイクで隠さなくちゃ。
宏希さんの前では、少しでもきれいでいたいという女心が残っているらしい。