エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
なんとかお弁当を仕上げて残り物で朝食を食べ始めたものの、まったく食欲がない。
どうしたんだろう……。
別に熱があるわけでもないし、やはり疲労のせいかな。
「ママ、これも食べていい?」
「いいよ。どんどん食べてね」
それでも和宏の笑顔を見ていると、気持ちが上向いた。
しかし、朝食が済んだ頃、店長から電話が入った。
『波多野さん、今日午前中出られない? バイトの子が急に休むって言うから人が足りないんだ』
「今日はちょっと……」
『そこをなんとか。今度のお遊戯会のときは休んでいいからさ』
店長の頼みは断りにくい。
これまでに何度も和宏の急病で休ませてもらっているからだ。
「わかりました。九時半でいいですか?」
『うんうん。十二時まででいいんだ。助かる』
電話を切ったあと、いつもはだらだらなのにさっさと着替えている和宏の隣に行く。