エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「すみません。ご迷惑をおかけしました」
「迷惑なんて全然。和宏くん、本当にいい子で。でも、波多野さんが倒れて不安だったのか泣きだしてね。泣き疲れて寝てしまった」
そうだったのか。めったに泣かない子なのに。
「ごめんね、和宏」
和宏の頭を撫でながら謝った。
けれど、また呼び方が『波多野さん』に戻っていて、寂しく感じる。
もう私の人生には関係ない人だとわかっていても、どうしても。
「スポーツ用品店に勤めているんだよね」
「どうしてそれを……」
勤務先のことなんてひと言も伝えていないのに。和宏が話したの?
「実は、公園で会ったのも偶然じゃないというか……。ずっと波多野さんのことが気になっていて捜していた。そうしたら、リテール営業のヤツが店で波多野さんらしき人を見かけたって言うから、飛んできたんだ」
そうだったんだ。