リペイントオレンジ🍊
そのまま玄関のドアをなんの迷いもなく押し開いた私は、
「わっ!?」
「……っ!?」
玄関の前に立っていたらしい女の人の驚く声に、ビクッと肩を震わせた。
お互い顔を見合せたまま、目をぱちくりさせて、何が起きたのか整理がつかない。
「あれ?……女の子?ここって」
表札と私の顔を行ったり来たりしているのは、かきあげバングが良く似合う、綺麗でオシャレなお姉さん。
どうやら、この部屋の主に用事があるらしい。
ま、まさか……菅野さんの、彼女!?
「あ、あの……」
青ざめながら、必死に言い訳を探す。
今朝、訳あって鍵を落としてしまって取りに来た……なんて言ったら、完全に怪しまれる。
とはいえ、留守中に私が中から出てきたことを、どう説明したら彼女さんに変な誤解を与えずに住むのかなんて到底分からない。
……あぁ、最悪なタイミングだ。
どうする?走って逃げる?それこそ、不審者として通報されかねないよ……。
「あ!……え、そういうこと!?」
「……え?」
私の頭の中なんて知らないんお姉さん。
そのの顔が、途端にパアッと明るくなって、
「あなた、尊の彼女さん?」
……何やら、私の解釈の斜め上を行く発言をしながらニコニコと微笑まれてしまった。