リペイントオレンジ🍊


「やっぱり!似てると思った〜」

「海穂さん……と、」


だけど、予想外だったことが1つ。


私を"しんおんちゃん"と呼ぶ海穂さんの隣には、私を"しんおん"と呼ぶ菅野さんの姿。


……海穂さんの声しかしなかったのに、振り向いたら菅野さんまでいるとか、何それ。詐欺。


「俺の顔見て固まるな」

「す、すみません……つい」

「わ〜!偶然とは言え、3人揃ったね!どうする?これから3人で飲みにでも行く?」


私と菅野さんを交互に見る海穂さんの目が、驚くほどにキラキラしている。


だけど、


「すみません。せっかくなんですけど、今日これから近くのお店で同窓会に参加することになってて」

「えぇ〜、そうなの?同窓会かぁ……」


残念そうに八の字眉を作った海穂さんは、そのまま菅野さんの顔を覗き込む。


「……尊、聞いた?心配だね?しんおんちゃんこれから同窓会だって」

「は?何が心配だよ」

「だって同窓会だよ?きっと、元カレもいるよ」


───!!


"ね?"と私に聞きながら、再び菅野さんを見上げる海穂さん。す、鋭い……。
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