リペイントオレンジ🍊
「……はぁ。あのな、散々説明しただろ?コイツと俺は付き合ってないし、付き合ってたこともないし、お互いに好きでも何でもないんだって」
「じゃあ、なんで部屋に上げたの?」
「仕方ない状況だったって、それも100回は説明したよな」
「へぇ。尊って仕方ない状況だったら、誰でも部屋に上げちゃうんだ?」
「……あー、面倒くせ。何が言いたいんだよ。急に呼び出した挙句、面倒なことばっか言ってるなら先帰るぞ」
目の前で繰り広げられる姉弟バトル。
おまけに、どちらも1歩も譲らない。
気づけば同窓会開始まであと15分。
そろそろ、向かわないと……。
「あの、すみません。約束の時間になるので、私はここで失礼しま、」
「どこの店?」
「……え?」
「しんおんちゃんの同窓会やるお店。今日の夜はそこにしよう、尊!」
相変わらず、海穂さんの目はキラキラしてる。
まさか本気じゃないよね?
いくらなんでも……ね?
「行くなら1人で行け」
「あれ?お姉様にそんなこと言っていいわけ?尊の誰にも言えない秘密の写真、しんおんちゃんに見せちゃうからね。ううん、見せるだけじゃぬるい。現像してプレゼントしてやる」