リペイントオレンジ🍊
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「里奈」
「あ〜!!来た来た!遅いよ、心音〜」
「ごめん、来る途中で知り合いに会って」
「心音の席は、ここね。ちゃんとキープしといたんだから〜」
私に気付くなり、パァッと顔を輝かせる里奈は相変わらず。昨日の電話と何一つ変わらないテンションで、私の背中をバシバシ叩きながら、"何飲む〜?"と、どんどん話が前転していく。
最近、飲みすぎていい事がなかったし。
ここはひとつ、ウーロン茶でも頼もうか……と、メニューのソフトドリンク欄へ指を運べば、
「は?まさか、飲まないとか言う気?」
「……今日は、」
「ダメー!久しぶりに大親友様に会ったのに、飲まずに帰るなんて許しませーん!とことん付き合うって約束、忘れたの?」
里奈は許さないとばかりに、隣から睨んでくる。あぁ、里奈には昔から敵わないなぁ。
「じゃあ、ちょっとだけ……」
「そうこなくっちゃ!」
楽しそうに笑う里奈はこの上なく可愛いけど、少し離れたテーブルに菅野さんがいる……と思うと、飲みすぎだけは絶対ダメだと私の中の私が猛抗議してくる。
……しっかりアルコールセーブしないと。
私って、何杯目まで正常でいられるんだろう。
「俺も、仲間に入れてくんない?」