リペイントオレンジ🍊
「それでは、次に皆さんこちらにあるモニターを見てください」
アテンダントの綺麗なお姉さんが、生徒たちの意識をモニターへと引き付ける。
楽しげな音に合わせて映像が流れて、生徒たちは食い入るようにモニターを見ている。
「今日は皆さんに、火力発電の基本的なしくみを知ってもらおうと思っています」
お姉さんが、モニターをタッチすると音楽と共に映像が切り替わる。こういう施設の強みは、子どもたちを飽きさせずに勉強させてくれる事なのだろう。
新米である私も密かに勉強させていただいている気分だ。
「火力発電は、燃料を燃やしてお湯を沸かし、その蒸気の力でタービンと呼ばれる羽根車を回転させて電力を発生させます。
みんなの家にあるコンロでお湯を沸かす時なんかは、やかんの口が小さければ小さいほど、湯気が勢いよく飛び出します。この湯気の力を圧力と言うんですが、この圧力を使って風車を回すイメージです」
アテンダントのお姉さん……さすがすぎる。
教師の私よりも、噛み砕いた子ども向けの説明が上手って……なんか今、負けた気分。