リペイントオレンジ🍊
私がどんなに悩んでも、どんなに凹んでも。
もちろん私の生徒は蒼介くんだけじゃないから、午後も教師として子どもたちを見守り続ける必要がある。
とは言え、別れ際の蒼介くんの態度が気になって、目だけで蒼介くんを探してみる。
落ち込んでるかな、まだ怒ってるかな……それとももう、忘れてるかな。
だけど、どんなに探しても蒼介くんの姿を確認できない。……あれ?どこいっちゃったの?
「……っ!?」
突然、足元がカタカタと小さく揺れた気がして勢いよく周りを見渡す。同じく揺れを感じ取ったらしいアテンダントのお姉さんと目が合い、お互い小さく頷いた。
「みんな、その場にしゃがんで」
「地震です、姿勢を低くしてください」
私たちが指示を出した次の瞬間には大きな揺れが施設を襲って、しゃがむのが遅れた生徒がバランスを崩して地面に叩き付けられる。
小さくなるどころか、どんどん激しくなる揺れに内心焦っている。
「みんな大丈夫?いい?みんな揺れが小さくなるまでその場を動かないで!」