リペイントオレンジ🍊
「トイレに来る時は、事前に知らせてくれなきゃ!……もう、心配したんだから」
「ごめん……ごめんっ、」
震える体をギュッと抱きしめて、"もう大丈夫"と呟けば、蒼介くんは小さく頷いてくれた。
「大丈夫。絶対、先生が守ってあげる」
「……うんっ、」
「行こう。みんなが待ってる。急いで建物から出ないと」
蒼介くんを支えながら立ち上がった瞬間、
───ドンッ!!
「……っなに!?きゃっ、……蒼介くん!!」
さっきも聞いた大きな音と共に、今度は激しい熱風に吹き飛ばされた。
……熱い……息が苦しい。
吹き飛ばされた衝撃で、壁に背中を強く打ち付け、痛みから立ち上がることは出来そうにない。
咄嗟に抱き抱えて庇った蒼介くんは、私にしがみついて小さく震えたままだ。
「蒼介くん……、痛いところ、ない?」
「俺は、みおが庇ってくれたから……でも、みおが」
「ごめん、先生……こんな時だって言うのに、歩けそうになくて」