側にいて
涙
気が付いたらいつの間にか窓の外は暗くなってい
た。
涙はナースコールを押すとしばらくしてやって来
たのは院長の甫ちゃんで。
「涙、智也から聞いたよ。しんどかったな。」
そう言いながら涙のパジャマの中に聴診器を
滑り込ませて、頭を撫でる。
「うん、まだ喘鳴も聞こえるし不整脈も出てるか
ら、ゆっくり休んでな。」
そういいながら、酸素マスクをチューブに変えて
くれた。
「ねえ、甫ちゃん。」
「ん?どうかした?」
「嫌な予感がする。胸騒ぎ。」
「え?」
「滴、大丈夫かな?」
「....大丈夫だ。だってあいつは涙を置いて勝手に
は逝けないから。だから大丈夫。」
そう言う甫ちゃんに涙は小さく頷いた。
だけど、この嫌な予感が当たることになるとは
このときは思ってもいなかった。