側にいて
嫌な予感がして、涙は夜の10時の消灯時間が過ぎ
ても眠れなかった。
相変わらず熱はあるらしく体は怠いし頭は痛い。
それに自分の呼吸がヒュー、ヒューと嫌な音を
立てている。
怠くて眠ってしまいたいのに眠ったら駄目な気が
して、どうしても眠れない。
そんな、悶々としている時だった。
そっと病室のドアが開いた。
「涙、起きてる?」
刹那の声だった。
「ん、刹那?帰ってきたの?」
そう聞く涙に近寄った刹那は黙ってモニターを
見つめて眉間にシワを寄せた。
「あんまり良くないね。喘鳴も出てるし。」
「ん、」
涙は曖昧に返事する。
刹那はそんな涙を見てしばらく黙っていたがよう
やく何かを決意したように口を開いた。
「涙、ちゃんと聞いて。」
刹那が余りにも真剣に言うから涙は嫌な予感がし
て、思わず刹那の手を握りしめた。
刹那はそんな涙の手を握り返した。
「滴が、刺された。」
「え、?」