側にいて
刹那の言葉がうまく理解できなくて。
思わず聞き返した。
「滴が刺されたって、」
「鸞鬼と抗争があったらしい。その時にお姫さま
を庇ってナイフで刺されたらしい。」
「っ滴は!?」
「さっきまで親父が手術してた。命に別状は無い
らしい。ただ、出血量が多かったらしくてな。」
「...大丈夫だよね?」
「うん、大丈夫。滴が涙を遺して先に死ぬわけが
無いから安心して。」
「ほんとだよね?」
「うん、嘘は言わないから。」
「で、滴はいまどこなの?」
「ICUに入ってる。行く?」
「うん、行っていい?」
「点滴は外せないし、不整脈も出てるから
酸素も外せない。それでもいいならいいよ。」
「うん、じゃあ行く。」
「わかった。じゃあ行こう。」
そう言って、刹那 はモニターを外してくれた。
それから熱でフラフラと揺れる涙の体を刹那は
支えながら廊下に出て歩きはじめた。