2月からの手紙

窓際のほうで声がして、見ると、怯えてカーテンに隠れるようにして泣いていた女子が、さっき先生に事情を説明していた男子にスマホを見せて責められている。

どうやら、あの子が最終連絡をしていなかったせいで発注が完了していなかったということのようだ。


あ……。

あのドット柄のクリップ……。


「和奏」


私が気付くと同時に、すぐ隣にいた小鳥遊くんが低い声で彼女の名前を呟いた。


その口から聞きたくなかった、名前。

そして、小鳥遊くんは一歩、踏み出した。

< 156 / 194 >

この作品をシェア

pagetop