2月からの手紙

「ダメだよ」


そう言って小鳥遊くんのカーディガンを掴んだ私の手を、小鳥遊くんがパシンと手で振り払った。


「あっ」


払われた手は痛くなかった。

そんな強い力じゃなかったから。

だけど。


手じゃなくて、心が。

たまらなく痛い。


時給の良いバイトをクビになるかもしれなくても、学校を退学になるかもしれなくても、和奏さんを助けに行くんだね。

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