2月からの手紙
「っぷはぁ! た、た、小鳥遊くん!? なんで!?」
「なんでって、記憶ない子とやったってしょーがないじゃん?」
「そこじゃなくて! バイト!」
私は精いっぱいのチカラで唇を離して、中腰から姿勢を戻す小鳥遊くんを見上げた。
キスについて抗議したい気持ちもあったけれど、それよりも昨日のほのかな恋心を返せと叫びたかった。
小鳥遊くんは確かにイケメンで学校でも人気だ。
でも休み時間とかもあまり教室にいなくて、どこか近付きがたい雰囲気。
お店で見せていたあの爽やかなスマイルは何だったのと、私の頭の中は混乱を極めた。
姫カワの内装とオールバックの制服マジックで、昨日は全然気付かなかった。
そもそも、うちの学校は飲酒系のお店はバイト禁止のはずなのだ。