戦争に塗れたこの世界はボードゲームで勝敗をつけてしまうようで。

三、初任務

…いや、此処の普通ではなかったようだ。


理事長殿が凄い形相で仁王立ちしているんだが。



「恋風くん?どういう事か説明をして
 頂いてもよろしいかな?」



笑みが黒い。



「いや、お手本として戦ってくれって。」



必要最低限の言葉で理事長殿に訴える。

しかし黒い笑みは消えず。



「取り敢えず、ソレも連れて理事長室へ。」


(ソレとは教師の事である。)































「君ねぇ…私は言ったはずだよ?
『恋風くんと戦闘はするな』って。」


「も、申し訳ありません理事長様…。」


「恋風くん、君も君だよ。此処は君の新しい
 居場所なんだよ?」


「私は、指示に従っただけだ。」


「問答無用」


「「はい…」」



私達は理事長室で説教を食らった。

…反省はしていないが。



「ああそれと」


理事長殿は何かを思い出したようで私に言う。


「君はこのまま此処に残ろうか?」


黒い笑みが更に黒くなる。

後ろからオーラが見えるような…。

そのオーラに脅されたのか教師は
そそくさと出て行った。



「何かあんの?」


「君の初任務だよ。」



初任務?

此処にはそんなものがあるのか。

ていうかここに来てまだ1日も経ってないんだけど?

なのに初任務。

まぁ、どうにかなるだろう。


「流石に今日では無いよ?」


「じゃあいつ?」


「えーっと、…5日後かな。」


どっちにしろ早いだろうが。

そんな事を思ったなんて言えないけど。

まぁ、どんな内容だろう
と理事長殿の指示に従えば良いのだろう。


なーんて楽観的に考えていた自分を恨むことになる。




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