戦争に塗れたこの世界はボードゲームで勝敗をつけてしまうようで。
こひすてふ

三組織大会議

「くそっ…最悪だ」


理事長殿頼まれたのは

《三組織大会議》


なんでも


『神代の郷』


『異能専科団』


『政府反乱異能軍』



が集まって会議をするのだと言う。


いや敵同士の会議とは⁇


そしてほんっとうに会いたくないのだが。


…政府反乱異能軍。


能因夜雪。


彼奴は本当に無理だ。


性格からしてめっちゃ無理。


だぁー!!


とても会いたくない!!



とかなんとか考えてる間についたな。


まさかこんな荒野だとは誰も思いはしないよな。



「さて、他の奴らは揃っているらしい
 私も入るか。」



ウィーンと機械音がして
扉が開く。


「…すでにそろっていると聞いたのだが」


いるのは軍服をまとった少女だけ。


くるくるとした癖っ毛だ。



「…政府反乱異能軍はまだ来ていませんが」


少女はそう口を開く。


手がカタカタと震えている。


本当は怖いのだな、と思う。


政府は何を考えているのか。



「私は『神代の郷』の代理。平 恋風だ。
 貴方は壬生 梨菜で合っているか?」


「…うん」


「そこまで怖がらなくても平気だよ。
 私はそんなに野蛮じゃない」



「…ありがとう…っ!?」



「…。おい。音もなく人に
 刃を向けるんじゃない」


「…おやぁ?久しぶりだね〜恋風ちゃん」


「気色悪い。私の名を呼ぶな。そいつから
 手を離せ」



目の前に現れたのは能因夜雪。


あん時フラグ立ったか。



「だから来たくなかったんだ」



ダンッと地面を蹴り飛ばし夜雪に向かって
拳を向ける。


まぁ勿論避けられるわけだが。


それで構わない。



「しのぶれど」



さてと、これで彼奴からは見えない。


さっさとこいつを抱えて退散しよう。

























「ゲホ、ゴホ、ハァ、ハァ…」



やはり長時間はきついな。


しのぶれどは息を止めないといけないから。



「はぁ、おい、大丈夫か?」



「うん、ありがとう。そっちこそ大丈夫?」



「NO…だな。酸欠で、死にそう…」



「君の能力やっぱ面白いね〜」




「「!?」」



「あれで逃げられたと思ったの〜?
 無理無理わかりやすすぎ」



まさか追ってくるとは思っていたが
見つかるとはな…。


どうしようか、俺はもう使えない…。



「…こいすてふ」



声と共にふわりと体が宙に浮いた。



よく見ると背中から綺麗な羽が生えている。



「お前の、能力か?」
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