戦争に塗れたこの世界はボードゲームで勝敗をつけてしまうようで。
翌日…。


教室に入ると随分と騒がしかった。

それもそのはずだろう。

理事長殿の殺気が学園内に満ちているのだから。

流石の私も凄い背筋が凍るがな。

こちらの方が負けず嫌いな奴は
努力してこれぐらい強くなるだろう。

ていうかなぜこんなに力があるのに
発揮しなかったんだか。

まぁ良いや。

これでこの学園が強化されれば
彼の望んだ通りになるだろう。


そんな事を考えながら私は席に着く。

すると、白髪少女、僧正猫音が話しかけて来た。


「ねぇ恋風ちゃん、理事長どうしちゃったの?
 いつもこんなに怒ってることないのに」


「さぁな」


一応知らん振り。

もし此奴があの理事長殿のファンだったら
私は命を狙われかけない。

それ程までの危険を感じる。


…特に此奴は、な。

























「やあ、恋風君」


「…なんだ理事長殿」


「少し頼みたいことがあるのだけど…
 いいかな?」


「どーせ嫌って言ってもやらされるんだろう?」


「察しがよくて何よりだ」


この時はわからなかったが
全身全霊で断れば良かったと思う。
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