陰の王子様
でも、ただ1人
格段に症状の重いレティシアだけは意識も未だ戻らない。
「アメリア…、少し休みなさい。」
「大丈夫です。私なんかより、レティシアちゃんの方がっ、何倍も、…っ。」
泣き崩れるアメリアをジョセフは優しく抱きしめる。
ボニーが手を触ってみたりして反応がないか調べているが、反応はない。
呼吸は苦しそうで、時折うめき声を出す時もある。
原因が分からないために、ボニーも解熱剤を与えることしかできない。
徐々に悪化しているとボニーは言っていた。
「ボニー、君も休みなさい。何かあればすぐに呼ぶから。」
「……申し訳ないです。」
俯いたまま、この部屋の隣の空き部屋に入ったボニー
つきっきりで見てくれているため、ボニーには隣の部屋を貸している。