陰の王子様
「レティシア…、頑張れ。レティシアに会いたい人たくさんいるんだよ。」
「レティシアちゃん……。あなたは愛されてるのよ?あなたがいないとダメなの。…特に、あの方は……。…私、あなたのこと娘だと思ってるの。」
涙を流しながら、アメリアはレティシアの手をきつく握りしめる。
その上からジョセフも重ねる。
まるで、自分たちの精気を持っていってと言わんばかりに。
「ジョセフ、いいかの?」
突然の声に驚きながらも、待ち望んでいた人物にジョセフたちは少しだけ安堵する。
「ナバ様、原因がお分かりになったのですか?」
「うむ。予想通りじゃったわい。」
「原因、分かったんですか!?」
飛んでやってきたボニーを眉間に皺を寄せながら見た後、ゴソゴソと鞄を漁っている。