陰の王子様
「ドレスとか?そういうのだったら、ありがたく使わせてもらったら?これからきっと必要だし。」
「そうだな。シンアの性格上捨てたくはないんだろうし。…でも、公の場では着ない方が良いぞ。絶対贈り主が勘違いするから。」
「はい。そうします。」
解決策をもらい、早速帰ったら使用人さんたちに話してみよう。
少し緊張が解けて、紅茶をひと口もらう。
「こちらもお召し上がりください。」
スッと横から手が伸び、小皿にお菓子が乗せられている。
「あ、すみません。ありがとうございます。」
落ち着いた人だな。年は、ちょっと上かな…?
じっと見ていたのか、にこりと笑った使用人さん
「初めまして。イオ様の側近をしております、ジェハと申します。何かあれば、私におっしゃってください。」