陰の王子様
王族からの誘いは断れない。
いや、断ってはいけないだろう。
…けど、何故誘われているのか。
それも、王子の親しい人たちに囲まれて。
「私、でよければ…。」
戸惑いながら返事をすれば、目の前の王子は優しく笑った。
…確か、第二王子は美青年だが、女性関係には浮いた話がないため、男色の噂も出ていたような。
微かに笑った王子の顔が頭に残り、それは屋敷に帰っても、約束の一週間後になっても忘れられなかった。
約束の日
アメリアさんに報告したら、嬉しそうに笑って、今日着るドレスを選んでくれた。
使用人さんたちも見たことないくらい、はしゃいでいて、念入りに準備をしてくれた。
ゆったりとした白いドレス
締め付けがあまりなく、お茶会にはぴったりだとアメリアさんが薦めてくれた。
髪の毛も、私はそのままで行くつもりだったけど、アメリアさんたちは違った。
生え際を気にする私に、『大丈夫よ!王子は気にしないわ!綺麗だって、きっと言ってくれるわ!』と言った。